移動平均線の”2本抜け”から上昇銘柄の探し方・買い方を解説!

 

移動平均線の分析は主に他の指標との組み合わせから用いられることが多いです。

 

また、複数の移動平均線だけを使った売買手法であっても、25日移動平均線が75日移動平均線を上抜けするゴールデンクロスなどが有名です。

 

今回、解説しますのは、ゴールデンクロスではなく、移動平均線の2本抜け”、3”本抜け”と言われる売買手法です。

 

この手法、誰でも思いつきそうに思えるのですが、意外と知らないトレーダーも多いようです。また、2本抜け、3本抜けは相場ではなかなか起こりにくいことから、意外と見落とされがちな指標でもあります。

 

しかし、プロトレーダーも意識して使っていますので、この機会に内容を知らない方はぜひ覚えてマスターしてください。

 

では『2本抜け、3本抜けからの上昇銘柄の探し方・買い方』について解説していきたいと思います。

 


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5日・25日・75日の移動平均線

 

 

移動平均線はあらゆるトレーダーから使われる最もポピュラーな指標です。

 

また、よく使われる移動平均線の日にち(日数)は75日と25日になりますが、今回は75日と25日の他に5日を加えた3本の移動平均線から分析を行って行きます。

 

すなわち、題材である3本抜けの3本とは、この5日、25日、75日の移動平均線ことになります。

 

他に区切りの良い10日、20日、50日などの移動平均線がありますが、

 

この5日、25日、75日を使う理由に多くのトレーダーが使用している”MACD”や”ボリンジャーバンド”も、この5日、25日、75日の移動平均線を計算式に取り入れていることから組み合わせの相性が良く、また同じチャート画面で指標分析を共有できることが強みになっています

 

移動平均線の計算式

 

計算式:X)日移動平均線=過去(X)日間のそれぞれ終値の合計÷(X)日間

 

5日移動平均線とは、過去5日間の終値の合計を5で割ったもの

例えば、5日移動平均線でしたら、過去5日間の終値の合計を5(日間)で割った数値(株価)になります。

 

このように直近で株価が上昇すれば、5日移動平均線などの短いスパンの移動平均線は上向きに上昇していくことになります

 

そのことから、移動平均線の向きが上向きならば上昇相場であると考えていき、

 

株価が上向きの移動平均線を下から上に抜けたとき”に株を買って行くことがトレードの基とされています。

 

トレードの基本は、株価が上向きの移動平均線を下から上に抜けたら買う。

また移動平均線には長さがあります。

 

長さとは、日にちのことですから、日にちが多い移動平均線ほど向きの角度の変化がゆっくり目になります。

 

すなわち、角度の変化が大きい5日移動平均線に対して75日移動平均線はのんびりした角度変化で進んでいくと考えられるのです。

 

75日移動平均線を使った株の買い方の詳しい解説はこちら(⇒ http://kabu-gensoku.com/text/text-75ma/

75日移動平均線と株価の関係・買い方

 

 

 

75日移動平均線はトレーダーの間ではとても重要な指標であると言いましたが、75日移動平均線を使った株の買い方が非常にわかりやすいことでも有名です。

 

例えば、75日移動平均線と株価の関係は《株価は上向き75日移動平均線に対して上に膨らみやすく戻りやすい、下向きの75日移動平均線に対して下に膨らみやすく戻りやすい》になりますが、

 

このお互いの関係から、株の買い方は、『株価が上向きの75日移動平均線を下から上に抜けたら買う』になります。そして、この75日移動平均線を使った株の買い方は他の移動平均線にも応用できます。

 

 

例えば25日移動平均線についても同じように考えることが出来ます。

 

実際に、25日移動平均線を75日移動平均線の買い方と同じように、『株価が上向きの25日移動平均線を下から上に抜けたら買う』ことを実践しているトレーダーも多くいます。

 

但し、時間軸で考えた場合、移動平均線を使った買い方は日数が短くなればなるほどに移動平均線の角度が強くなり細かいチャートの形になることからトレードが難しくなってくることも確かです。(逆に日数が長くなると移動平均線の角度が緩やかになりチャートの形的には株を買うチャンスが少なくなります。)

 

上の25日移動平均線が入ったチャート図を見ると分かりやすいかと思いますが、

 

 

25日移動平均線に対する株価の動きが細かく、短期売買の中でもスイングトレードのように比較的ゆっくり目の持ち越しのトレードは、この25日移動平均線を使った売買では少々無理があるケースが訪れる場合があります。

 

よって、スイングトレードの場合、25日移動平均線を単体の指標として使うのではなく、他の指標との組み合わせで使って行く方が効果的になると考えられるのです。

 

そこで今回は、単体での移動平均線を使ったトレードではなく、5日、25日、75日の異なる移動平均線を同時に使うことで、買いのサインを高めていきます

 

 

25日・75日移動平均線の2本抜け

 

「アベノミクスの幕開け」による株価上昇は、移動平均線の2本抜けから始まった!

日経平均株価のチャートを見ますと、株価が25日と75日の移動平均線を短期間で一気に下から上に抜けてきています。

 

これを移動平均線の2本抜けと言います。

 

1日間でローソク足が2本の移動平均線をまたいだ形になっていますが、特に注目して欲しいところは、

 

お互いのローソク足の終値がしっかり2本の移動平均線をまたいでいる点です。

 

仕掛け方ですが、移動平均線を使った買い方の基本が“株価が上向きの移動平均線を下から上に抜けたとき”ですから、ここでも同じように考え、

 

株価が上向きの2本の移動平均線を下から上に抜けたとき買って行くことになります。

 

但し、注意すべき点としては、「株価が2本抜けをしたあとに、終値もしっかり抜けているか?」ということです。

 

ですから、株価が2本の移動平均線を抜けたと同時に買うのではなく、抜けたローソク足の終値もしっかり抜けていることを確認して買って行くことになります

 

もし、ザラ場を見れるようであれば抜けたその日の大引けに買うか、あるいは、翌日に買って行くことになります

 


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5日・25日・75日移動平均線の3本抜け

 

移動平均線の3本抜けの例(ファナック)

今度は、更に、2本抜けに5日移動平均線を加えて3本抜けも考えていきます。

 

この3本抜けも、2本抜けの時と同じように考えていきますので、

 

買い方も株価が上向きの3本の移動平均線を下から上に(またぐように)一気に抜けたら、終値も抜けていることを確認後に買って行くことになります

 

(※3本抜けを狙うときは、3本の移動平均線が全て上向きという形は難しいので、仮に1つの移動平均線が下向きでも、その場合は日経平均株価の動きをよく考慮して仕掛けることです。)

 

2本抜けに他の指標を組み合わせる

 

2本抜け、3本抜けは同じ移動平均線を使った手法ですが、ここでは更に他の指標との組み合わせも考えていきます。

 

2本抜けと一目均衡表の組み合わせ

 

 

一目均衡表を確認してみると、株価は基準線・転換線の同時2本抜けをしている

前のファナックのチャートを”一目均衡表”から見ていきますと、転換線基準線を同じ日に抜けていることが確認できます。

 

このような場合を一目均衡表の2本抜けと言います。

 

意外と、ローソク足チャートが2本抜け、3本抜けをしているときに、一目均衡表を確認してみると基準線・転換線の2本抜けが行われていたりします。

 

このようなときは、強い上昇をする場合がありますので、日頃からよく注意をしてチャートを見ておくと良いでしょう。

 

一目均衡表の詳しい解説はこちら(⇒ http://kabu-gensoku.com/text/ichimokukinkouhyou-basic/

2本割れから空売りを仕掛ける

 

 

今度は、2本割れからの空売りになります。

 

前の項目で2本抜けからの買いを狙ったときとは逆に考え、株価が2本の移動平均線を上から下に割ってきたときに空売りを仕掛けます。

 

仕掛けるタイミングも2本抜けと同じように考え、割ったローソク足の終値が割れているかを確認後空売りを行います

 

2本抜け、3本抜けのデメリット

 

2本抜け、3本抜けから株を買う時に、仕掛けるタイミングとして、移動平均線を株価が抜けたときではなく、抜けた後の終値を確認後、買って行くことになりますので、

 

デメリットとしてはやはりザラ場を見ることが出来るトレーダーにアドバンテージがつきやすいということです。

 

但し、2本抜け、3本抜けの後に株を買う時間は大引けになりますので、もし、「大引けあたりの時間でザラ場を見ることが出来れば?」この手法をうまく使うことが出来ると思います。

 

まとめ

 

  • 株価が短期間で移動平均線の2本抜け、3本抜けをする場合は強い動きと捉えてトレンドを予想しても良いでしょう。
  • また、2本抜け、3本抜けが短期間での強い動きである以上は、短期売買と考えることも頭に入れて、仕掛けた後は、やはりロスカット設定を必ず行い、利益が出たら分散利確等からの早めの利益確保を心がけることも大事です。
  • 2本抜け、3本抜けはよく発生するものではないので、日頃からよくチャートを見ておくことが大事なことです。
  • 仕掛けるときは抜けたローソク足の終値がしっかり抜け切れているかが分析の重要な要素になります。

 


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“移動平均線の”2本抜け”から上昇銘柄の探し方・買い方を解説!” への2件のフィードバック

  1. 山川 より:

    はじめまして。
    今日、たまたまこちらのブログが目に留まり、読ませて頂いています。

    75日線の向きをトレードの判断基準として売買する方法、どこかで聞いたような内容だなと思いながら読ませて頂きました。

    特に「移動平均線2本抜けからの上昇銘柄の探し方、買い方」は、初めて耳にする内容で、興味を持ちました。

    今年の大発会の日に、三井不動産(8801)が大きく窓明けで寄り付き、その後何日間続伸しましたのが、これはどのようにして仕掛ければよかったのか、過去一か月間の保ち合い上値水平ラインを超えたところで入ればよかったのか、それとも、などとない頭をひねっていました。

    狭い値幅の中に入ってきた2本の移動平均線を一気に抜けて、終値が移動平均線の上に出ているということは、それだけ強い買い勢力が入ってきたということでしょうから、場を見ておれるなら、あるいは引け近くに見られるなら、一目均衡表なども併せ確認しながら、買いを仕掛けるいいタイミングなんだなと、今回、そう思いました。

    今回、良いブログに出会えてラッキーでした。
    他の記事も読ませて頂き、勉強させて頂きます。
    ありがとうございました。
    これからもよろしくお願いします。

    • 株原則 より:

      山川 様

      三井不動産(8801)ですが、確かに大発会での大きな上昇前には、過去1か月に渡り2500円~2600円弱辺りで株価は持ち合っていますね。

      この持ち合いを抜けたこと、また大発会も手伝ってか、その後、大きく続伸したと考えることが出来ると思います。

      しかし、この銘柄を大発会でテクニカル分析から仕掛けようと考えるとちょっと難しくもあります。

      なぜなら、株価は持ち合っていますが、パーテーション(投資家により意識された値段)の幅が太いため逆指値買い注文の値段設定が難しいかなと、個人的には思ってしまいます。

      また、分足チャートが確認できないのではっきりしたことは言えませんが、このような大きな上昇は、大概、(寄付き等から)数分間の短い時間内で上昇するパターンが多いので、仮に場中を見て注文しても約定が難しくもあると思います。

      結果的には、2984円までの高値を付けていますが、もし、この銘柄を買っていた投資家・トレーダーであれば、上昇することで、投資家から次に意識される前の高値 2851.5円(2017/44/09)前後付近で手仕舞い出来たらベストなトレードだと思います。

      この銘柄、一目均衡表を見ますと一気に「三役好転」しているきれいなチャートですね。

      ありがとうございました。

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