「需給の法則」を株の実践トレードに活かす”美人投票”とは!?

 

今回は株式相場における需給(需要と供給)について「トレードにどのように活かすかという方向でお話ししたいと思います。

 

経済的なあまり難しい需給の話は私には分かりませんので、もっと身近な少しでもトレードの実践寄りで役に立ちそうな内容で話せたらいいなと思います。

 

さて、株式投資を勉強するとまずは「売買ルールを守る(損切等)」こと、「投資資金の管理をすること」について学ぶと思います。

 

そして「需要と供給」についても学びます。(もちろん他にもあると思いますが…)。

 

需給について簡単に言ってしまうと、「株は好きなようには買えません。売ってくれる相手がいないと買えませんよ!」っていうやつです。

 

それぞれ「売買ルール」も「資金管理」も「需給」も全て投資・トレードをしていく上では本当に大事なことだと思います。

 

しかし大事なことだという事実を教えてはくれますが、肝心の「いざトレードにおいてどのように活かしたらよいのか?」というトレーダーにとっての最も重要な点についてはほとんど教えてはくれないようです。

 

確かに「売買ルール」や「資金管理」はメンタル面という奥深さがあり、「需給」については売買心理が多くを占める以上は、教える方の立場を考えればやはり簡単にはいかず難しいことかと思います。

 

今回は、私が経験則として”自らトレードを通じて学んだこと”、”過去に人から教えてもらったもの”、”本で読んだもの”などからトレーダーにとって少しは効果が出ると思われる内容からトレードにおける需給のお話しを6つほどさせていただきたいと思います。

 


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「“株は同じ株価で買いたい人と売りたい人、この相反する思いの投資家がいてはじめて売買が成立する”」これが株式の需給の基本であり株価が決定されます。

 

トレードを始めたばかり頃は「東証1部もしくは東証2部を基本に特に売買数の多い銘柄を選択してトレードしてください」と言われることが多いと思います。

 

なぜそのようなことをいうのかといいますと、あまり売買数の少ない銘柄だと、ある値段で買い注文してもその値段で売りたい投資家が存在していない場合があるため希望した値段で株を買えないことがよく起きるということです。

 

特にマザーズやヘラクレス、ジャスダックなどの新興市場ですと売買数がとても少ない銘柄があるために意図した値段で株を買えない場合があります。

 

このような新興市場は株価の乱高下が多いためトレードのスリルは味わえますがリスクもその分多いということも肝に銘じなければなりません。

 

気を付けてトレードを行わないと、相場においてなかなか売買できずに「自分の買いたい値段以上で買わされ」、そして「売りたい値段以下で売る」ことになってしまうことがあります。

 

やはりトレードを始めたばかりの頃は売買数の多い銘柄が多い東証1部でトレードを始めることが賢明かと思われます。

 

安定したトレードを行うためには銘柄の売買株数の目安は日に30万株以上が理想です。

 

美人投票(あなたの好みより優先すること?)

 

 

写真のみなさんとても美人です。

美人投票…」!?

 

これは経済学者として有名なケインズによる題材が投資における需給の関係をよく表している内容として非常に興味深いものです。

 

さて、もしあなたの目の前に美女がたくさんいて“その中からあなたの好みを選んでください“と言われたらどうでしょう?

 

どれも美人ぞろいだがあなたの好みが、もし、”背の高い女性“だとしたら当然背の高い女性を選ぶと思います。

 

そこまではまったく普通の考えです。間違っていません。

 

しかしこれが株式投資の世界だったらどうでしょう?

 

もしあなたの好みである背の高い女性(株式)があなただけではなく他の人も同様に好みとして選んでくれればいいですが、

 

そうでない(他の人たちが選んでくれない)場合、あなたは相場では負け組になってしまう可能性が高いということです

 

「なぜでしょうか?」

 

株式というのは買われれば株価は上がり売られれば逆に下がります。文字通り需給の法則です。

 

ですから回りからも同じように好みとして選ばれ投票数が上がらないとその女性の価値(株価)は上がらないのです。

 

もしあなたの好みの女性を選んでくださいと言われたら、それはあなた個人の好みではなく「回りのみんなが選びそうな女性をあなたもあえて選ぶ」ことが優先されなければならないのです。

 

これが”株式投資における美人投票”というものです。

 

株式投資を始めたころはどうしても個人的に好きな企業や昔からよく知っている会社の株式を選択しがちです。

 

またトレードの経験が積まれ板についてくると分析能力も向上してきますのでトレーダーであればチャートの分析内容等が優先されます。

 

それ自体は悪いことではありません。しかし、美人投票の観点から考慮すれば個別銘柄の選択肢として回りの投資家達も買いそうな人気のある銘柄も頭に入れておくべきことだと言えるでしょう。

 

「分析内容は悪くない…?」、「企業業績も悪くない…?」それでも株価が上がらないのであれば、ちょっと投資の視点を変えてこの美人投票のこと考えてもいいのではないかと思います。

 

ゼロサムゲーム(株はゼロサムゲーム?)

 

 

八百屋さんはプラスサムゲーム

八百屋さんがお客さんにリンゴを1個100円で売りました。八百屋さんは市場から1個50円で仕入れたので50円の利益です。

 

またリンゴを買ったお客さんもわざわざ市場へ買いに行く手間が省けた上に1個100円で買えたので満足です。

 

お互い満足しましたので<win-win>の関係です。これをビジネスではプラスサムゲームと言います。

 

 

では話を変えて、ある株式を1株120円で1000株売りに出した投資家がいました。

 

そしてその売り注文を見た別の投資家がそれを1000株分買いました。

 

買った方の投資家は「これから株価が上がるだろう」、売った方の投資家は「株価は下がるだろう」との投資判断からでした。

 

その後、株価の方は上昇して1株130円に値上がりました。

 

1000株買った投資家は1万円の含み利益を出し、1000株売った投資家は1万円の利益のチャンスを失った結果となりました。

 

このように株式投資の利益というものは他の投資家の損失で賄われているのです。

 

ある意味お金の奪い合いですので<Win-lose>の関係です。これをビジネスではゼロサムゲームと言います。

 

もちろん株価が上がることで株主だけではなく企業やその他も連動して潤う場合はプラスサムゲームになりますが、やはり今の日経平均株価がレンジ相場と呼ばれるような持ち合いの相場状況だとゼロサムゲームのニュアンスが強いと言わざるを得ないかと思います。(fxは完全なゼロサムゲームと言えるでしょう。)

 

このプラスサムゲームとゼロサムゲーム、内容は全く違いますが、”売り手”と”買い手”がいて売買が成立することから需給の法則が直接関係しています

 

 

綱引きもゼロサムゲーム

勝ち負けがはっきりするスポーツやゲームも同じゼロサムゲームです。

 

(あくまでも主観ですが、)ゼロサムゲームの世界ではやはり勝負事が好きな方が多いような感じもします。

 

 

 


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あえて”ミーハーな指標”を使う理由!?

 

 

トレードを始めたばかりの頃は「儲けたい」、「損をしたくない」という気持ちから、どうしても「まだ相場では出回っていない何か特別なトレード手法(指標の組み合わせ)」などを探したくなる場合があると思いますが、基本的にそれは間違った考えです。

 

株の初心者なら大事なお金を初めて投資するのですから心配で何かに頼りたくなるような感情が起こることは仕方のないことだと思いますが、そもそも手法とは多くの投資家から使われることでその価値が決まります

 

ですので、良い手法とは相場において投資家から当然知れ渡っているということになります。

 

では、なぜ投資の世界ではそのように投資家からよく使われ、そして知れ渡っている手法が良いのか?

 

理由は簡単に需給の法則から説明できます。

 

投資家は株を買う前に必ず指標を見て分析をしたうえで投資を行います。(なんの根拠もなく売買することはほとんどあり得ません。)

 

株は買われれば上がり売られれば下がることが株式における需給の法則ですが、多くの投資家が株を買う前に指標からの売買のサインを見て確認した上で投資するのであれば同時に多くの投資家が見ている指標を使ってトレードすることが勝ち組にも入りやすく需給の原理原則にも当てはまります。

 

よって、”特別なトレード手法とは多くのトレーダーが使っていない以上は全く意味のない手法”だということが言えるのです。

 

トレードを始めたばかりの頃はよく上級者から「多くの投資家・トレーダーが使う指標をあえて使いなさい!」と言われました。

 

言われた当初はなんとなくしかその意味は理解できませんでしたが、トレードを続け相場を通して需給の意味が分かってきますと上級者の言った言葉の意味も理解できるようになります。

 

投資・トレードにおけるもっとも使われている指標には日経平均株価チャートや75日移動平均線があります。

 

日経平均株価チャートはチャートの中に多くの指標が入り交じっていますが、75日移動平均線は単体の指標です。

 

この75日移動平均線と株価の動きを見ていますと日経平均株価チャートは75日移動平均線を中心に動いているのではないかと思わせるようなときがあります。

 

多くの投資家がこの75日移動平均線を重要な指標として投資を行っているからでしょう。

 

ちなみに75日移動平均線と株価の関係は、“株価は上向きの75日移動平均線に対して上に膨らみやすく戻りやすい、下向きの75日移動平均線に対して下に膨らみやすく戻りやすい”になります。

 

日経平均株価チャート

 

上図の日経平均株価日足チャートから確認してみてください。

 

株価と75日移動平均線の性質がチャートによく表れています。

 

これは多くの投資家が75日移動平均線を意識してトレードを行っているからと言えるでしょう。

 

特に株価が75日移動平均線に対して「上の位置で推移しているか?」、それとも「下の位置で推移しているか?」

 

また75日移動平均線は「上向きか?」、それとも「下向きか?」という向きを基準に「買いに出るか」、「売りに出るか」の判断をしていると考えられるのです。

 

>>75日移動平均線の詳しいページはこちら<<

 

ちょっと話が指標の方向に行ってしまいましたが、75日移動平均線は短期売買が多いテクニカルトレーダーだけではなく世の中の景気や企業分析などから比較的中長期の投資家が行うファンダメンタルズ分析にも使われる最も重要な指標です。

 

私はトレードを始めた当初は75日移動平均線以外に何かよさそうな指標やトレード手法がないかと思ったものでしたが、現在は相場における需給の意味もよく分かりこの75日移動平均線を必ずチェックしています。

 

チェック内容をもう一度言いますと、75日移動平均線の“向き(上向きか?下向きか?)“と、株価が75日移動平均線に対して”上に推移しているか?それとも下に推移しているか?”になります。

 

空売りのカラクリ

 

 

トレーダーとして私は空売りを推奨しています。なぜなら空売りは短期的に利益を得られやすいからです。

 

「空売り」は「売り」と同じカウント!

さて、空売りは買いに比べると投資家があまり使っていない手法ですので(「あえてミーハーな指標を使う理由」からも解説したように)需給の法則から考えますと、効果のない手法に思われます。

 

しかし実際には保持している株の売りと空売りとは相場では同じ売りのカウントになるのです。

 

ここが重要なポイントです。

 

特に株価の暴落時などにおいて投資家から多くの売り逃げ注文が入るとき同時に空売りを行うことで空売りは多くの売りカウントの中の一部分になれるのです。

 

空売りはある一部の投資家が行う手法のように見えて実は需給の観点からは売買に適した手法なのです。

 

>>空売りを推奨する記事のページはこちら<<

トレードは『需給の崩れ』から利益を狙う!

 

 

75日移動平均線の復習になってしまいますが、トレードの買いの基本は、やはり、”株価が上向きの75日移動平均線を下から上に抜けたとき”になります。

 

また、”トレンド転換を狙った買い”もトレードの基本です。

 

「株価の75日移動平均線抜け」、「トレンド転換」、これら2つに共通するのが『需給の崩れ』になります。

 

75日移動平均線は投資家の間で本来の株価と言われていますので、株価が75日移動平均線から離れれば離れるほど需給が崩れていることになります。

 

また、一定期間ある方向にトレンドが発生してしているときに、そのトレンドが崩れる動きがトレンド転換となりこれも需給の崩れとなります。

 

その他、過去に投資家から意識された値段で形成されるパーテーションが破られるとき、すなわちパーテーションブレイクによる支持抵抗線の逆転なども需給の崩れになります。

 

トレーダーはこれら『需給の崩れ』をうまく捉えることで利益を狙います

 

まとめ

 

 

需給に関してはいくらでも難しく考えることが出来ると思いますが、それよりも実践のトレードからなんとなく需給について感じ取りそれを自らの投資に生かしていくことに少しずつですが効果が出やすいかと思います。

 

株式投資はその性格上、結果を出すためには何よりも投資・トレードを長く続けることが重要ですので、やはり需給に関してはある程度の理解はあった方が良いと思われます。

 

今回の内容がトレードにおいて少しでもお役にたてますと幸いです。

 


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