天井圏で起こりやすい5つのチャートの形を、それぞれ投資家の売買心理を交えて解説をしていきます。また、相場の底についても話していきます。
読者の方の中には、「もう既にそのチャートの形は知っているよ!」と思われるような内容が含まれている場合もあるかと思いますが、形を覚えるだけではなく、更にその性質や注意点までを深く掘り下げていきます。
今回の内容から、実践での相場の天井圏、また底における投資判断が行いやすくなることで少しでも負けないトレードを目指していきます。
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Contents
解説の前に
※天井圏ということで、まずは下落に注意しなくてはいけません。トレーダーとしての資産を守るために「天井圏でのポジションクローズ」を前提に1つ1つ解説していきます。
天井圏での形
天井圏でのチャートの形には、以下の5つがあります。
- 三尊天井
- 2段天井
- 団子天井
- 急角度
- アイランドリバーサル
特に有名な形は最初の3つの形ですが、いずれも天井圏ということで注意しなければならない相場ですから、すべて重要な形であると言えます。
急な株価の下落、あるいは暴落時に備えるためにも、また負けないテクニカルトレーダーとして、この天井圏で作られやすい”5つの形”と”性質”を覚えていきます。
三尊天井(ヘッドアンドショルダー)
株価は大きく上昇を果たすとき一直線に上昇していく訳ではなく、上昇の途中には上下に山と谷を作りながら(上昇・下降を繰り返しながら)最終的に上昇していきます。
さて、上昇の過程において、1度下降した株価が再度上昇していくときに、まず目指していくのが前の高値になります。すなわち、株価は「高値更新を目標」にして上昇していきます。
しかし、高値更新を何度か繰り返し大きく上昇した株式はやがて投資家の興味対象から外れ始めることで、高値更新が達成できなくなっていきます。
この高値圏での相場をチャートの形で表したものが、三尊天井になります。
いずれも、高値更新が行えないことで、この形を形成していることが上のチャートから分かると思います。
もし、実際の相場において、大きく上昇してきた銘柄に高値更新が行われていないチャートの形になっていた場合、そのときは三尊天井のことを思い出してください。
株を買って行くことを「控える」ことが必要であり、同時に、もし株を保持していたときは「決済を考える」場所でもあります。
また、大きく上昇してきた銘柄は、例え高値更新をしてきても、その後の大きな上昇は見込めない場合も多いことも確かです。
例えば、高値を更新しても株価は更新したと同時にすぐに下降してしまうパターンも多いです。
これでは株価の上昇は難しいでしょう。
しかし、これは高値圏に起きやすい特徴なのです。
高値圏とは、多くの資金が入ることで上昇した株式が、今度はその資金が抜かれ始める場所でもあるのです。
この三尊天井を逆手に取った《空売り》の仕掛け方法があります。内容の方はちょっと難しいですがこちらです(⇒ 『三尊天井』の見方・売り方 グランビルの法則とダウ理論の関係)
2段天井(ダブルトップ)
三尊天井にも似た高値圏で起こりやすい形です。
2段天井の特徴として、強い角度で上昇した株価が一度下降し、再度また強い角度で前の高値を目指して上昇してくるパターンです。
この場合、”前の高値を更新できないとき”と、”更新後早めに下降してしまうパターン”が多いです。
山の角度が強いので、トレードは集中して行わなければなりません。
団子天井(ラウンドトップ)
団子天井は、天井での持ち合いに近い形です。
持ち合いとは、株価が動かないことですからスイングトレーダーとして資金効率の面から考えても良いものではありません。
もしポジションがあれば決済することを考えます。
急角度
5つの形は全て注意をしなければなりませんが、急角度は意外と気づかないうちに起きることが多いので特に注意してください。
例えば、それまで下降線を辿っていた日経平均株価がアベノミクスの幕開でもって一気に火が付き日経平均株価は大きく上昇していきました。
この頃、毎月利30%~50%を出していた投資家仲間が周りにずいぶんといました。
しかし2013/05/23に1日で1000円以上の暴落が実際に起きました。
相場の”青天井”を信じていた投資家も多かったのか、このような1日での暴落はほとんど予期していなかったと思います。
もちろんチャートの形は暴落前に急角度であることを確認していた投資家・トレーダーも多かったはずなのですが、それでも注意を怠ってしまうのが、この急角度です。
急角度の特徴として、はじめは滑らかに上昇している株価も強い上昇から角度が急になっていきます。
また、暴落数前に乱高下を繰り返すことがあります。
大きく上昇後に乱高下が始まったら注意して早めの決済が大事ですが、乱高下が始まる前の急角度が始まった時点で注意することの方が、トレーダーとしては更に大事なことと言えます。
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投資家の間では、通称“天空の城ラピュタ”とも呼ばれるアイランドリバーサルですが、機関投資家などが空売りをするために一般の投資家を騙すためのものと言われています。
内容は、高値圏で持ち合い、そろそろ上昇すると見せかけて一般の投資家に株を買わせると、一気に機関投資家が空売りを仕掛ける“ダマシの手法”です。
よくあるチャートの形としては、ローソク足の『窓』を開けて上昇することも多いのが特徴です。気を付けましょう。
また、アイランドリバーサルのすべてがその後に下降していくとは限りません。日経平均株価などの全体相場によって上昇する場合もあります。
しかし、持ち合い期間が長いことを考えれば、どちらにせよトレーダーとして資金効率的にはよくありません。
グランビルの法則から全体相場を考える
以上、5つの形を解説しましたが、高値圏であるかどうかは、相場を大きな視点で見ることが出来るグランビルの法則から判断することもできます。
グランビルの法則とは「株価が大きく上昇する途中には、3回~4回の山を作りながら上昇していく」というものです。
もし5つの形のどれかを確認したら、大きなチャートから見て、上昇の過程において「どのくらいの山があるか?」、または「今現在がグランビルの法則の何回目に来ているのか?」を確認することで高値圏であるかを判断材料とすることができます。
グランビルの法則についての詳しい解説はこちらの記事が参考になります。
底での形
天井圏で5つの形があるように”相場の底”においても同じような形があります。
但し、高値圏では下落を注意することが重要でしたので、逆に相場の底ということで「今度は株を積極的に買って行くところではないか?」と考えたくなりますが、必ずしもそうではありません。
なぜなら、投資家全体に言える判断基準として「株価が大きく下がった銘柄というのは必ずしも“買い時”ということではなく、更に下降する可能性があるから気をつけろ!」と昔から言われているからです。
もちろん、「信じるか?」、「信じないか?」はあなた次第ですが…!?
もし、相場の底と見て逆張りのように株を買って行くことがあれば、同時にロスカット設定を必ず行っていくことです。
今回、相場が底をついた後に大きく上昇している例をサンプルチャートとして挙げていますが、逆張りでの買いは気を付けておこなうことです。
また、もし相場がここまで下落をしているのにまだ株を保持している場合は、ほとんど『塩漬け株』に近いと思っていいと思います。
逆三尊
2段底(ダブルボトム)
鍋底(ラウンドボトム)
逆急角度
逆アイランドリバーサル
アイランドリバーサルの逆パターンはほとんどないと思ってください。
まとめ
相場がそろそろ高値圏にきたと感じたら”5つのチャートの形”を思い出し判断すること。
また、そのとき「グランビルの法則」から今現在の位置関係を確認することで更に状況判断の効果を上げることが出来る。
- 「高値圏に来た」と思ったら
- 【5つのチャートの形】+【グランビルの法則】を確認する!
- 高値圏と判断出来たら、《早めの決済を心がける!》
最後に、今回は主に相場の天井圏についての内容でしたので、「株を買って行くような話」ではなく、ほとんどが「早めの決済のこと」だったので、内容的にはつまらなく感じた読者の方も多かったのではないかと思います。
しかし、トレードで勝つためには長く続けることが必須になります。
すなわち、長く続けるためには投資資金が必要であり、そのためには負けないトレードが最優先されなければなりません。
早めの損切や決済はそのためのものです。
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