株価は、決算発表を挟むと大きな影響を受けやすいので注意が必要になります。
保持している個別銘柄の決算発表の内容が良ければその後株価は上昇しやすく、内容が悪ければ下降しやすくなります。(決算内容と株価が連動しない場合もあります。)
基本的には、株主は決算内容を知ることが出来ません。企業の内容を調べても最終的には独自の視点でしか頼ることが出来ないのです。
もし、決算内容に不安が生じるのであればリスクを取らずに決算発表前に持ち株を決済することも一つの方法です。
※ここで決算発表というのはマーケットの混乱を避けるためにほとんどが(例外もありますが)マーケットがちょうど終了する午後15:00以降に発表されます。
【日本経済新聞社 電子版 決算発表スケジュール http://www.nikkei.com】の検索方法はこちら
⇒ http://www.nikkei.com/markets/kigyo/money-schedule/kessan/
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では、決算発表後の株価の動きを見てみましょう。
《4911 資生堂》 5/12 15:05 決算発表
経常利益が前年比プラスです。
日足チャートを見ますと↓
《4911 資生堂》
今期の経常利益が前年度よりプラスなので、投資家もそれに答えた形で株価が大きく上昇しています。
(※ファンダメンタル指標は経常利益だけではありません。)
《6508 明電舎》 5/12 15:00 決算発表
経常利益が前年比マイナスです。
日足チャートの方は↓
《6508 明電舎》
今期の経常利益が前年度よりマイナスなので、投資家もそれに反応して株価が大きく下降しています。
以上のように、決算の内容によって株価もそれに連動した個別銘柄の例を挙げました。
(決算内容と株価が連動しない場合もあります。)
しかし、どうでしょう?
投資家であればその決算内容は関係者以外は分かりません。
決算内容が分からないのであれば、決算発表後まで株式を持ち越すということはある意味丁半博打の世界になってしまうとも言えるのです。
もし配当狙いの長期保有型や企業を応援するつもりで投資をしている場合は株式を持ち越すことがあると思いますが、
短期型のトレーダーであれば決算発表後に株式を持ち越すようなトレードは非常にリスクが高いことになります。
では、しかし、この「決算発表をトレードでうまく活かせないのか?」というと全くそんなことはありません。
実はこの時期、プロトレーダーが密かに狙うトレード手法があります。
それが、個別銘柄の決算発表後に狙う75日移動平均線を使った空売り手法です。
では、トレード手法の詳しい説明に入る前に、まずは3つほど個別チャートの例から見てみましょう。
《2730 エディオン》
《6869 シスメックス》
《6875 メガチップス》
《2730 エディオン》と《6869 シスメックス》は決算内容が良くありませんでしたが、《6875 メガチップス》の決算内容は悪くありませんでした。
必ずしも決算内容と株価が比例しない良い例です。しかし、これから伝えます空売り手法は決算内容は全く関係ありません。
あくまでも、チャートの形です。
上の3つのチャートは全て決算発表後に株価は続落していることが分かります。
これだけでしたら、「普通に空売りを仕掛けていけば良いだけではないか?」と当然思われるでしょう。
しかし、決算発表後の翌日に株価が大きく下降したからという理由だけで空売りを仕掛けるのは危険です。その後、株価は上昇する場合があるからです。
そこで、チャートの形から見ると比較的下降の一途を辿りやすいと思われる形が存在します。
それが先の《エディオン》《シスメックス》《メガチップス》のようなチャートの形です。
ここで3つのチャートをよく見ると「何か共通点がうかがえませんでしょうか?」チャートを見て一緒に考えてください。
ではその3つのチャートの共通点ですが、
株価が決算発表前には75日移動平均線より高めの位置にいる場合、
決算発表後の翌日に株価は大きく下落をしてその時
ローソク足が75日移動平均線にタッチして終了しているということです。
できればその時、75日移動平均線は下向き、ローソク足が陰線を作り終値が75日移動平均線より安く終了していることが理想です。
上のチャートの例では《2730 エディオン》のチャートの形が理想と言えるでしょう
そして、空売りを仕掛けるタイミングですが、それは、
決算発表後に株価が大きく下落して先の条件を満たしたときに後場の引けで空売りを仕掛けます。
なぜ、後場の引けに仕掛けるのかと言えば、それはローソク足の形が、14:30~15:00の間で形成されやすいからです。
そして大事なロスカットの設定ですが、これは早めの損切を行いリスクを抑えましょう。
75日移動平均線にタッチしたローソク足の高値を超えたらロスカットします。
もう一度分かりやすいように《6773 パイオニア》のチャートの例から説明します。
《6773 パイオニア》
株価が大きく下落をして75日移動平均線にタッチしているチャートを見つけたとします。
《6773 パイオニア》に決算発表があったことを日経新聞等のメディアから確認します。
そして、14:30~15:00にローソク足の形が作られるのを待ちチャートの形が良いと判断出来たら引けで空売りを仕掛けます。
ロスカットはローソク足の高値を上に超えたらに設定しますので、
この場合高値が248円ですからロスカット注文を249円以上になったら決済(買戻し)になります。
その後、パイオニアの株価は続落し利益も乗ってきますが、そのとき同時にロスカット設定を引き下げていくとリスク軽減になります。
以上、決算発表を使った空売り手法を紹介しましたが、
決算発表後は株価が大きく動くことがあり株を予め持ち越すことで大きな利益を得ることもあります。しかし、大きな損失を受けることもあります。
投資家である以上は決算内容は分かりません。決算発表前の株の持ち越しは半丁博打のようになってしまうことからリスクを重んじるプロトレーダーの間ではどちらかと言えば敬遠されてきているように思います。
決算が発表されマーケット上で投資家の意思が株価に反映されてからトレードを行う方がリスクも大きく抑えられます。
トレードの狙い目は、【決算発表前の持ち越しのリスクより決算発表後の確実性】です。
それが、チャートの形に現れたときプロはそこを狙ってトレードを仕掛けます。
今回、トレードの初心者の方にはちょっと難しい内容だったかも知れませんが、
75日移動平均線の性質を理解できればそれほど難しいトレードではありません。
また、このようなテクニカルチャートを理解し自らも行えるようになるとトレード自体がとても楽しくなってきます。
これから、決算発表の時期、空売りを狙えるようなチャートパターンを探してみてはいかがでしょうか。
▼空売りトレードの手順▼
■株価が大きく下落し75日移動平均線にタッチしている銘柄を見つける
■日経新聞等のメディアから決算発表があったことを確認する
■14:30~15:00にチャートやローソク足の形が良いと判断出来たら空売りをする
■ロスカット注文をローソク足の高値を上に抜けたときにする
■株価が続落し利益が乗ってくると同時にロスカット設定を引き下げリスクを回避する
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