一般にグランビルの法則では4つの買い4つの売りからなる『8つの売買ポイント』が有名ですが、
4回目の買いポイントでは
- 「前の高値を更新できない場合が多いこと」
- 「株式に対して投資家からの資金が入りづらくなってきていること」
が挙げられます。
また、スイングトレードで重要な指標である75日移動平均線の向きが下向きになり始めている場合が多いとの考慮から、この教材の内容では、4回目の買いポイントを(買いに対する注意を込めて)「グランビルの終焉」《空売り》も考えるポイントとしても扱っています。
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大きなチャート(約1年間~1年6か月間位)で見ると「株価は(波を打つように)3回上昇し3回下降する」を繰り返すというアメリカ人元株式アナリストのグランビルの理論です。
これは株式に資金が入り始めることからチャート上で見ると株価は3回に渡り波を打って上昇すると、今度は株式に資金が入らなくなり逆に資金が抜かれ始めることで3回に渡って、また波を打ちながら下降相場に入るという投資家の売買心理からきています。
※グランビルの法則は75日移動平均線(75MA)を一緒に考え大きなチャートの形を理解することで大局での相場観から投資判断を行えます。細かい仕掛けには使いません。
75日移動平均線についての参考記事は
⇒ http://kabu-gensoku.com/text/text-75ma/
75日移動平均線とグランビルの3回の上昇
「株価は(波を打つように)3回上昇し3回下降する」というグランビルの法則は75日移動平均線を軸に考えると非常に分かりやすく、またトレードも行いやすいです。
1回目(初動):
グランビルの法則では「初動」と言われる最初の上昇になります。
株価が中長期(約6カ月以上)に渡って大きく下げている状態から下向きの75日移動平均線を株価が下から上に抜け短期的に上昇することを初動と言います。
初動は大きな上昇は見込めず弱いので買いのポジションを取ったときには早めの売り決済が必要です。
なぜなら初動とは中長期に渡り下降してきた株式に対し資金が入ることで一時的な株価上昇にはなりますが、
それでもまだ多くの投資家の間では不透明なところがあり、例え上昇しても機関投資家などからの売りの利益確定が早めに行われるからです。
75日移動平均線の向きもまだ下向きの時があり下降のスピードも速い場合が多いので買いは注意が必要です。
実際のトレードでは株価が75日移動平均線を下から上に抜けたときに買い、その後上昇しても早めのサインからの売り決済が必要になります。
売りのサインとしては、『トレンド転換』、『ローソク足のダウ理論下降が成立したとき』などが当てはまります。
※トレンド転換についての参考記事は
⇒ http://kabu-gensoku.com/text/trendconversion/
2回目(大きな上昇):
グランビルの法則の中で一番上昇しやすいところです。
初動後に、この2回目でうまく買いポジションを取ることができると利益を上げやすくなります。また買うタイミングが大事になってくるところでもあります。
初動での高値付近では売りの利益確定と同時に機関投資家等からのカラ売りが入ることで株価が早めに下降して75日移動平均線を株価が上から下に割り込む場合があります。
そのような時には再度初動の時と同じように株価が75日移動平均線を下から上に抜けたら買いますが、75日移動平均線の向きが必ず上向きであることが条件になります。
また初動を終えた後に株価は下降しますが、そのまま75日移動平均線を割り込まず再度上昇した場合には、『株価が上向きの25日移動平均線を下から上に抜けたら買う』手法があります。
初動時を終え株価がこのグランビルの2回目に入ることで【ダウ理論チャートレベル上昇を成立】させてくるところですからダウ理論上昇と同時に《株数の増し玉》を行えるポジションでもあります。
3回目(前の高値を意識する場所):
グランビル2回目につけた高値が意識され始める場所です。
2回目ほどの上昇率は難しいところです。
2回目の高値を更新するも早めに下降する場合が多いですので大きくポジションを取って行くのは注意が必要です。
必ず2回目の高値を意識してトレードを行ってください。
※ ポイント
グランビルの2回目では株価が前の高値を更新したと同時に上昇トレンドに乗る場合がありますが、グランビルの3回目では前の高値を更新したと同時に株価が下降する場合があります。なぜなら、もうこの頃には株価も大きく上昇した後で株式に対して投資家からの資金が入らなくなってきている場合があるからです。
グランビルの終焉(空売りを意識する):
アベノミクスのときのような上昇の相場が強いとグランビルは4回、5回と上昇することがあります。
しかし終焉の予兆としてやはり前の高値を更新できない時に注意が必要です。
このころには75日移動平均線の向きも下向きになってきている場合がありますので基本的には株を積極的に買っていくところではありません。
このころには、《空売り》の準備段階に入っています。
《空売り》の仕掛けポイントとしては、『株価が下向きの75日移動平均線を上から下に割ってきたら空売りのポジションを取る』などがありますが、グランビルの法則からの相場観を考えると、ポジション的には少なめに抑えるところです。
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グランビルからの買いのまとめ
以上、グランビルの法則ではそれぞれの波の特徴と75日移動平均線の性質をよく理解してトレードを行うことが必要です。
グランビルのトレードでは75日移動平均線と25日移動平均線の組み合わせを用いると効果的な売買が行えます。
相場では必ずグランビルの法則のように「3回上昇し3回下降」するわけではありませんが、
先行指標や社会情勢など外部からの株価への強い影響がなければ投資家の売買心理はグランビルの法則のようなチャートの動きになりやすいのではないかと言われています。
グランビルの法則のようなチャートの形が投資家の売買心理にありその上で外部からの株価への影響で実際のチャートが作られているともいわれています。
下降トレンドとグランビルの関係
グランビルのよくあるパターンとして、「3回上昇し2回で下降する」というパターンがあります。
これは上昇トレンドよりも下降トレンドの方が勢いのある場合があり、下降トレンド中に株価の戻りが入らずそのまま下降してしまうパターンです。
初動での持ち合いの意味
初動というものは何度も繰り返される場合があります。
これは株価が初動を終えて今後グランビルの2回目に入ることに多くの資金力が必要とされるため機関投資家や資金豊富な個人投資家などが株式の買いに対して慎重になるからです。
そのため時間をかけて様子を見ることから、初動を何度か繰り返しながら持ち合うことがあります。
下のチャートは日経平均株価の日足チャートです。何度か初動を繰り返した後、グランビルの2回目を迎えていることが分かります。
25MAとグランビルの関係
75MAはグランビルとの相性が良いことが理解できたかと思います。しかし株価が75MAではなく25MAを軸に動いている場合これもグランビルから全体像を見ることが出来ます。
スイングトレードでは75MAを使ったトレードが基本となりますが、アベノミクスの初期の頃のような株価が強い上昇トレンドを形成する場合や、逆に強い下降トレンドを形成するときなどは株価が75MAまで戻らず25MAを軸に株価が上下に推移する場合があります。
このような時は25MAを中心にしたグランビルを考え分析を行います。
下のチャートは日経平均株価の日足チャートです。株価が25MAを軸に動いていますが下降グランビルが出ているのが確認できます。
※もし株価が75MAではなく25MAに対して動いている場合はグランビルも確認すると全体像からの投資判断ができるかと思います
週足・月足との関係
日足チャートの株価がグランビルの3回目を終了し再度(上昇の)初動に入ると週足チャートのグランビルは初動を終え2回目に入ろうとします。
これは月足に関しても同じことが言えて、週足チャートがグランビルの3回を終え再度(上昇の)初動に入ると月足チャートは初動を終えグランビルの2回目に入ろうとします。
ちょっとややこしい説明になりましたが、実はグランビルの形が最もよく表れているのが月足チャートになります。
↓下のチャートは約5年間の日経平均株価の月足チャートです
グランビルの投資家心理を短期売買で考えてみると
グランビルの法則では大きなチャート(約1年間~1年6か月間位)から見ることで理解できましたが、「3回上昇し3回下降する」という理論と売買心理は短期の売買でも考えることができます。
株価が必ずしも3回以上、上昇した後に下降するわけではありませんが、上昇相場の中でも株価が3回以上に渡って上昇すれば「次は誰かが売りに出るだろう。よって株価が下がるだろう。」等の思惑が生じてもおかしくありません。このようなことが投資家全体の売買心理にあります。
※3や他の数字に固執する必要はありません。株価が数回に渡り続伸すればそろそろ気を付けてトレードを行う姿勢が大事です。
まとめ
スイングトレードのような短期トレードは順張り系の指標を使ってテクニカル分析をすることが多いことから、グランビルの法則のような大局での相場観からトレードを考えることは非常に大事なことです。
相場に悩んだときはいつでもこのグランビルの法則から今現在の株価はグランビルの何回目の波にいるのか考慮しトレードを行うことが株式投資では基本となります。
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