一般的に知られている損小利大と、実際の相場における損小利大にはその内容に大きな乖離があります。
一般的な損小利大とは、あくまでも相場が個々の分析通りに動いたと仮定した場合でしか考えていません。
もちろん、分析において、その考え方自体は決して間違ったものではありませんが…。
しかし、実際の損小利大とは相場の分析とはほとんど関係のない非常に個々のメンタルが試される投資方法になります。
株をやり始めの頃は投資資金も少ないことから、利益率を伸ばし資金を得ることが、まずは優先されなくてはならない時があります。
また、いずれは相場のブルーオーシャンと呼ばれる“聖杯“を狙うのであれば、今から損小利大の本質を理解することは、これからのトレード人生において決して損にはならないはずです。
今回の内容は、実際の損小利大についてあまり知られていない大きな利益獲得への道のり、利食いの難しさ、そしてメンタル面について深いレベルで解説していきたいと思います。
私自身が経験した内容だけではなく、トレーダーの先輩から聞いた話もあります。ぜひ、今後のトレードへの参考にしていただけますと幸いです。
Contents
損小利大とは?
損小利大とは読んで字のごとく、とても聞こえの良いものです。また株の教科書やネットなどでは模範的な投資方法として紹介されたりもしています。
利益を大きく取ることが目的であり1つのトレードを比較的に長いスパンで行いますので、「損切は早めに、そして利食いはゆっくりと」が損小利大の基本的なトレードの考え方となっています。
しかし、実際の損小利大のトレード内容はと言うと、株価が上昇しても利益が大きく出るまでは株を売れないという現実が、トレードに対するもどかしさや不安感を生じさせることから、例え誰であっても精神的に非常に厳しいトレード内容になります。
ですから、損小利大とはその聞こえの良さとは裏腹に簡単な投資方法でないことは確かなことなのです。
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本当に難しいのは損切よりも利食い!?
株は、簡単に言えば「どこで買って」、「どこで売るか」という2つ売買だけで成り立っています。
そして「買い」と、「売り」のどちらの方が難しいかと言えば、それは「売り」の方になります。
なぜなら、株を買うときというのは、まだ損益がプラスマイナス0円の状態からのスタートですし、また「買った株がこれからどれだけ上昇するか?」という投資に対する期待感があります。
誰でも株は期待感から買うものです。
そして、株を売るときの方になりますが、損失を含んだ「損切」と、利益を含んだ「利食い」の2つに分かれます。
「損切」とは残念な結果です。しかし、これはトレードの結果ですから仕方がありません。
では、「利食い」の方はというと、実は利益を含んでいるという理由だけでは必ずしも株をすぐに売れない場合があります。
なぜなら、損小利大から大きな利益を考えた場合、それは単純にトレードの勝ち負けの問題ではなく、1番重要な利益率と直接関係しているために例え含み益があったとしても「株をどこで売るか?」という利食いのタイミングがとても難しいからです。
株価上昇時での二者択一の悩み
例えば、買った株価が上昇し含み利益があるときには「これから更に株価が上昇してもっと利益が乗るのではないか?」という期待感からと、それとは逆に「この先、株価は下降してしまうのではないかと考えてしまい、今、ここで利食いして利益を確保しておいた方が良いのではないか?」という不安感からの二者択一を迫られます。
もちろん、利益があるうちに売り決済をしておけば、その利益は確保できますので精神的にはとりあえず安心はするでしょう。
しかし、トレードは、100%勝つことはできません。よって(損切による)過去の損失額に対して、それらを上回るような利益をトレードから得なければならないことを考慮したとき、単に「株価が上昇して利益が出ている」という理由だけではそう簡単に売り決済もできなくなります。
少なくとも損失を上回る利益を狙って行かなければならなくなります。損小利大はそのような考え方をもって相場に向かわなければ実行できないのです。
「言うは易く行うは難し」これが損少利大なのです。
本気で大きな利益を狙って行くのであればそれ相応の覚悟や同時に資金のリスクを背負うことになるのです。
では、実際に損少利大を狙った場合によく起こるトレードの内容を話していきます。
損小利大のトレード内容について
もし、大きな利益を狙おうとするときに、株価の希望価格がある場合や、また何%の利益を狙うという目標があった場合、その株価上昇での過程においてトレーダーは必ず大きく悩まされます。
例えば、損小利大を狙い30%の利益を目標に損切を-5%設定したとしましょう。
株を買った後、株価が15%まで上昇したとします。
さて、ここで、株を売ってしまえば15%の利益は確保されますが、当初の約束通りに30%の利益を求め、ここで株を売らずに保持したとします。
精神的にはかなりつらいはずです。なぜなら、株価が15%も上昇すれば、もう利食いをして利益を確保したい気持ちになるのが普通のトレーダーの考えだからです。
それを頑張って売らずに保持しているのですから、実際は利益30%の目標やこれから先の期待感よりも「株価がこれから下降してしまうのではないだろうか?」という不安の方がずっと大きいはずなのです。
しかし、その後、残念ながらその不安は的中し、株価は大きく下降してしまい最終的に-5%のロスカットという損失を受けてしまいました。
こんなときは当然誰でも思うでしょう。「15%の利益が出ているときに株を売っとけばよかった!なぜ、売らなかったのだろう!」と。
しかし、損小利大のような損失を大きく上回るような利益というのはこのような相場からの裏切り(?)のようなものを何度も経験しないと獲得できないものなのです。
目標の利益まで達成しない限りは決して売ってはいけないのが、厳しくとも損小利大のルールなのです。
けれども、そのルールを守った結果、本当に30%の利益を取れるときもあるのです。
その達成した時の喜びは普段の喜びとは格段の違いがあるはずです。
このように損小利大から利益率を大きく設定した場合、どのような相場が訪れても目標としている利益が取れるまでは決して売ることをせずに相場を最後まで信じ切らなければ損小利大を達成することは出来ないのです。
相場に裏切られても、それでも「再度損小利大を狙う強い精神力をトレーダーとして持ち続けられるでしょうか?」
これが損小利大の厳しさであり、ほとんど知られていない事実なのですから。
聖杯(ブルーオーシャン)への道のり!
ビジネスの世界では聖域と呼ばれるブルーオーシャンが存在します。
このブルーオーシャンまでの道のりは、いきなりリスクも無しに簡単に辿り着けるものではありません。
その道のりの過程において血みどろと呼ばれるレッドオーシャンを経験しないと辿り着けません。
良識あるビジネスマンなら誰でもこの”ブルーオーシャンとレッドオーシャンの関係”を深く理解しています。
損小利大も全く同じです。リスクを取り相場から何度も何度も裏切られた後に、それでも諦めずに挑戦し、やっと手に入れられる言わば聖杯のようなものなのです。
マーケットは早めの損切は歓迎するが、大きなトレンドはなかなか出してきません。
それでも全体の約1割と言われる勝ち組トレーダーに入れるか否かは、己を最後まで信じ切ることが出来るかどうかで決まってくるのです。
このような厳しい業況でも、損小利大を狙って行けますでしょうか?
私の知っているトレーダーは、資金の数倍から10倍に当たる利益を狙ったトレードをしていますが、どれだけメンタルが強いのか、想像が出来ません。
プロトレーダーの域とは?
プロトレーダーが一般のトレーダーよりも多くの負けや損失を経験していると言われているのは、単にトレードの歴が長いからという理由だけではありません。
過去に的確な損切ポイントで株を売らなかったがために大きなやけどを経験したり、また損小利大から何度も相場に裏切られたりと言った経験がそういわれる理由なのでしょう。
しかし、プロトレーダーになるとトレードに対して損小利大のようなトレードは実際にはあまり行いません。
なぜなら、彼らには、そのようなリスクを背負わなくてもいいような資金力が既に十分にあるからです。まさにブルーオーシャンの聖域なのです。
まとめ
損小利大とは、相場でのメンタルが試される投資方法である。
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