スイングトレーダーとして、チャート分析のみを主体としている場合、多くの銘柄チャートを分析して、『監視銘柄』及び『仕掛ける銘柄』を見つけるのですが、実際に仕掛ける銘柄の最終的な絞り込みは、トレードのレベルに関係なく、いつも頭を悩ませることと思います。
そこで、今回は、テクニカル指標だけで分析をするのではなく、最後にファンダメンタルズを用いた分析方法から仕掛ける銘柄の最終的な絞り込みを行う投資方法を紹介していきたいと思います。
分析手順としては、チャートからテクニカル分析後にある程度の仕掛けようとする銘柄を選択し、最後にファンダメンタルズ分析から最終的な銘柄の絞り込みを行う方法です。
今回ファンダメンタルズ分析で用いる指標は、PER(株価収益率)です。
PERは投資の世界でとてもポピュラーな指標ですので、テクニカル指標と組み合わせた投資方法と、一緒に簡単なPERの内容についても覚えていきたいと思います。
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Contents
PERについて
PER(ピーイーアール)とは、「株価収益率」のことで、簡単に言えば将来の株価予想に対して今現在の株価は「割安か?」、または「割高か?」を判断する指標です。
ファンダメンタルズ分析の中でもとても有名な指標ですので、聞いたことのある方は多いと思います。
PERの数値(倍)とは、例えば、ある会社を買収した場合、「何年かかると元が取れるか?」ということで考えると、
会社を10億円で買収したときに、年間1億円の利益が見込めたとしたら10年間でペイ出来たことになりますが、この場合のPERが10倍ということです。
すなわち、「投資してどのくらいの期間(PER)で回収できるか?」というのがPERの考え方です。
「誰でも投資した分早く回収したいと思いますよね?」
ですからPERの基本的な考え方としては「PERの倍率は低い方が良い」ということになります。
また、はっきりと断定はできませんが、投資家の間では「PERの基準は15倍」という考え方がありますので、PER15倍を目安に個別の銘柄に対して「割安か?」、「割高か?」の判断をしていきます。
・PERが「割安なら」⇒買うことを考えていく
・PERが「割高なら」⇒買うことを控ていく
PERの確認方法
PERの確認方法は色々なサイトやメディアから調べることが出来ますが、スイングトレーダーとしては、チャートから調べていきましょう。とても簡単に調べることが出来ます。
例として、ネットストックトレーダーのチャートを使って調べる方法の解説をします。
(※PERには前期のデータを採用した「実積PER」と、今期予想を採用した「予想PER」がありますが、ほとんどのネット証券では「予想PER」の形式を採用しています。)
1.PERを調べたい銘柄のチャートを表示します。
2.何もないところで「右クリック」
3.銘柄個別を選択「左クリック」
4.画像のようなダイヤログが出てきたら、カテゴリーの左から2番目の「指標をクリック」
5.連結のPERを確認します。
6.「右上の連動をクリック」して作動させたあと、他の銘柄を選択すると連動してPERが表示されます。
テクニカルトレードにPERを取り入れた分析について
では、実際にテクニカル分析後にPERを取り入れた分析の方法を解説しますが、
その前にPERはファンダメンタルズ指標です。ファンダメンタルズ指標とは分析結果が株価に現れるまではある程度の日柄(期間)がかかります。
スイングトレードは基本的に、1日~10日前後の短期売買になりますが、PERを使った場合はある程度の日柄を考慮してトレードを行うことも必要です。
グランビルの法則の2回目にPERを確認する投資方法
株価上昇において株価は約3回~4回に渡って山を作りながら上昇していくという中長期の長いスパンで考える「グランビルの法則」という指標があります。
「グランビルの法則」とは1回目の上昇の山を“初動”と言い何度か繰り返す場合があり、大きさとしては、まだ小さい山の場合が多く大きな株価の上昇の可能性はあまり見込めません。
そして1番大きな山を形成しやすく収益が見込めそうなのが2回目の山となります。
よって、テクニカル分析から「グランビルの法則」の1回目の”初動”を終え、これから『2回目の山を形成しそうだと判断したときに、「PER」を確認する投資方法』です。
画像のチャートで考えますと、<日新電機>の銘柄のPERは14.8倍ですから、倍率としては、「高くもなく、低くもない」という判断になります。
「グランビルの法則」の2回目から株を買う方法についての解説はこちら(⇒ http://kabu-gensoku.com/text/text-granville/)
同じセクター内に同じような形のチャートが存在しているとき
左の3つのチャートの形はとても似ていますが、全てセクター(業種)は<卸売業>になります。
このように、同じセクター内に同じようなチャートの形をしている銘柄を見受けることがよくあります。
これは投資家が個別の銘柄というよりもセクター別に投資を行っていることがあるからです。
もし、このようにチャート内容が似た者同士の銘柄を仕掛けたいと思ったとき、1つの銘柄に絞るには、『1番低いPERを選択する投資方法』です。
では、画像の3つの銘柄のPERをそれぞれ比較します。
上の銘柄から順に、<三菱商事>=9.2倍、<三井物産>=9.3倍、<住友商事>=8.7倍です。
銘柄を絞り込んだ結果、仕掛ける銘柄はPERの1番低い<住友商事>になります。
PERの本質を考える
ファンダメンタルズ分析は奥深い分析ができます。PERも倍率だけでは実際に銘柄の投資判断ができない場合があります。
なぜならPERが低いからといって必ずしもその銘柄が割安とは限らないからです。
例えば、PERの倍率が低い場合、ただ単に銘柄の将来性が低いと判断され投資家から買われていない場合や、
逆にPERが15倍以上の高い倍率であっても銘柄に対して投資家から人気があり買われていて、まだまだ将来的に株価が上昇しそうな銘柄もあります。
これは、投資家から株が買われ銘柄の株価が上昇すればどうしてもPERの倍率が上がってしまうような計算式になっているので仕方のないことなのです。
すなわち、必ずしもPERが高いからという理由だけで、買ってはいけないということにはならないのです。
業種別PERから投資判断をする方法
そこで、業種別PERの基準から投資判断をする方法もあります。
【株予報・業種PER】というサイトが分かりやすいです。⇒ http://kabuyoho.ifis.co.jp/index.php?action=tp1&sa=ranking&ex=per
仕掛けたい個別銘柄をPERで判断するときに業種別PERを基準に比較する方法です。
例えば、先ほどの「グランビルの法則」で用いたチャートから<日新電機>の銘柄の例で考えますと、PERは14.8倍ですが、業種が『電気機器』になりますので、『電気機器』の業種PERを確認すると18.1倍です。
この場合、<日新電気>のPERは業種別PERに比べると「低い」と判断することが出来ますので、1つの買いのサインとして考えられます。
テクニカルトレーダーが分析後、最後の砦として業種PERを指標として使う場合は、「さすがにここまで分析はできないな」と感じるトレーダーの方も多いとは思いますが、ファンダメンタルズ分析の背景をある程度知っておくことに損はないかと思います。
まとめ
PERは倍率の高低により投資判断をするものだが、実際の倍率だけで個別銘柄のファンダメンタル分析を行うには安易な場合が考えられ、そのために真のPERを確かめるためにも業種別PERなどと比較してみるのも良い。
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