トレーダーにとって決算発表後でのトレードは大きく株価が動くため要注意です。
特に株を持ち越すことで利益を狙うスイングトレーダーにとっては保持している株が「今後決算発表日をまたぐかどうか」は、予め確認してトレードを行わなければなりません。
決算発表とは、基本的に企業の決算内容が良く投資家にとって期待以上の結果であれば株価は上昇しやすく、内容が悪く期待以下であれば株価は下降しやすいと考えます。
ですから、決算内容が良いと思われる企業の銘柄を「予め買っておきたい!」と思うところが投資家の人情でもありますが、しかし、この決算の内容は発表前、他人には一切分かりません。
法的にも内容を知ったうえでトレードすることはインサイダー取引として犯罪になります。
また、決算内容が良くても必ずしも株価は決算の内容に比例して上昇するとは限りません。下落する場合もあります。
そのようなことから株の初心者であれば決算発表をまたぐような銘柄のトレードは避けたいところです。
今回は、個人で買いたいと思うような銘柄株があった場合、簡単に決算発表日を調べられるサイト及び決算日の日柄を考慮した上でのトレード方法をお伝えします。
最後には決算発表を利用したプロトレーダーの空売り手法を解説します。
株を買えば誰もが株価上昇を期待します。
しかし、同時に年に最大で4回ある決算発表日を事前に知り安心して持ち越しのトレードを行いたいものです。
今回は、そのための内容となります。
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Contents
決算発表後の株価
まず、はじめに東証一部の個別銘柄から決算発表後の日足チャートを見てください。
例)決算後の日足チャート
(6999)KOA (6755)富士通ゼネラル
4775)総合メディカル (3064)MonotaRO
決算発表日はトレードを避ける
上のチャートの例から、決算後に大きく上昇した銘柄もあれば、逆に大きく下降した銘柄もあります。
もし、決算前に株を買っておけば決算後に大きく利益を上げることが出来るでしょう。
また、四季報や独自の情報等から個別銘柄の企業内容や財務状況を分析し決算発表前に株を買い備え、そして決算発表後の大きな株価上昇を期待したいところです。
しかし、トレーダーは決算を利用したトレードを行わない方が良いでしょう。
それは、なぜでしょうか?
「決算発表は短期間で大きな利益を得られるチャンスであるのに…?」
前述のとおり、決算内容は関係者以外誰にも分らないからです。
もちろん、日々の企業情報等からある程度は企業分析もできるでしょう。
しかし、もう一度言いますが、決算内容は発表の当日まで全く分かりません。
また、株価というものは業績以外のあらゆる内容を織り込みます。
必ずしも良い決算内容が比例して株価を押し上げる訳ではないのです。
少なくとも私の周りには決算発表を利用したトレードから利益を上げているトレーダーは皆無です。
仮にいたとしても、はじめは良くても長続きはしないでしょう。
なぜなら、決算内容が分からないということは、すなわち、分析ができないということであり、よって、トレードでは博打性の強いものと位置付けられてしまうからです。
決算発表日の調べ方
では、トレードをしたい個別銘柄があった場合に近々決算発表があるのかどうかを確かめる方法をお伝えします。
個別銘柄から決算発表日を確認する方法
上場銘柄の決算発表日を調べたい場合は、日本経済新聞社のWEBサイト⇒ https://www.nikkei.com/ があります。
サイトを開いたら、メニュータグからマーケットをクリック。
次にその下のメニュータグから株式をクリックします。
または簡単に⇒ https://www.nikkei.com/markets/kabu/ からでも良いです。
そして右上のウィンドウに調べたい銘柄の「株式コード」及び「銘柄名」を入力し検索クリックをすると銘柄情報が表示されます。
例えば、「日立化成」と入力をすると↓
銘柄チャート図の左に次回の決算発表日が記載されています。
※各銘柄の決算発表日が掲載されているサイトはこの日経新聞のWEBサイト以外あまりないようですので重宝してください
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決算発表の近い銘柄の調べ方
決算発表の近い銘柄を調べたい場合はTRADER’S WEB⇒ http://www.traders.co.jp/ があります。
サイトを開いたら、メニュータグから日本株をクリック。
次に左のサイドバーから国内マーケットから決算発表スケジュールをクリックすると
「上場企業の約1か月先までの決算発表日」と「決算発表時刻」、及び「その他の内容」が公開されています。
または簡単に⇒ http://www.traders.co.jp/domestic_stocks/domestic_market/kessan_s/kessan_s.asp からでも良いです。
※決算発表後に決算内容から株価がどれだけの動きがあったのかを調べることが出来ますのでぜひ参考にしてください。
決算内容の調べ方
決算内容は日経新聞WEBサイトの企業発情報から適時開示速報で公開されていますので参考にしてください。
決算発表日を考慮したチャート分析及びトレード手法
ここからは、トレード手法についてです。
さて、スイングトレードは約1日~10日位を持ち越して利益を狙うトレードです。
個々の銘柄を分析したときに目標株価に対してどのくらい持ち越してトレードを行うのかを考えた場合
そのトレード期間内に決算発表を挟むのであればその銘柄は避けるか、またはトレードを行っても決算発表日の前日までに手仕舞いしてしまいましょう。
改めて言いますが、決算の内容は分かりませんし、また記事の始めの方で決算発表後の4つのチャートの例を見たようにテクニカルトレードの分析内容を大きく崩してしまうような株価の値動きが起こる確率が高い訳ですから。
決算日を迎える個別銘柄のトレード方法
チャート分析から買いのサインが出ている場合、基本トレードである株価が上向き75日移動平均線を下から上に抜けたら買おうとしたとき、目標値段を前の高値、またはボリンジャーバンド(BB)の+2σ付近に考えたとします。
ここで、決算発表日を調べます。
先ほどの日経新聞WEBサイトから「宇部興産」と入力すると↓
入力後、決算発表日を調べると2月2日(金曜日)となっています。
(※決算発表の時間帯は関係ありません)
よって月曜日に株を買えても決算発表日の前日である木曜日には手仕舞いすることになりますから、月曜日~木曜日までの4日間がトレードの期間になります。
もし、株価が分析通りに上昇した場合は目標値段である前の高値やBB+2σ付近までは200円位の値幅の猶予があり
またチャートの形からも、上昇しても目標値段まではまだ数日間の日柄がかかると考えられますので、この場合は決算発表日を考慮しても買っても良い銘柄と考えることが出来ます。
要するに、決算発表日が近くても(チャートに買いのサインが出ていることが前提として)分析内容から目標値段まで到達する日柄のバランスを考えれば例え決算発表日が迫っていてもトレードを行えるということです。
決算発表を利用したプロの空売りトレード
決算発表に関しては、基本的にトレードは行ってはいけないということをこれまで話してきましたので内容的にはつまらなく感じた読者さんもいるかと思いますので
ここで、ちょっと、決算発表を利用したプロトレーダーが行う空売り手法のノウハウを解説していきたいと思います。
まず、トレードを行うのはあくまでも決算発表後です。これだけは、守ってください!
ではトレード内容の方ですが、
個別銘柄が決算発表後の翌日に大きく下落をし、日足チャートを確認したとき、ローソク足が75日移動平均線に対して安い値段で終値を付けたときが空売りの狙い目です。
空売りの仕掛けのタイミングはローソク足の形がほぼ作られてくる後場の引けの30分前から引けにかけて、またザラ場を見られない場合は翌日の寄付きからになります。
では、実際のチャートから説明いたします。
上のチャートは、(7408)ジャムコの日足チャートです。
決算発表前までは、この銘柄の株価は順調でした。
しかし、マーケットが終了する15:00の決算発表の翌日には、決算内容が影響し、株価は大きく窓を開けて下落しています。
ここからがトレーダーにとって仕掛ける時間帯に入ります。
もし、ザラ場を見ることが出来れば、ローソク足の形が形成されてくる後場の14:30~15:00にかけて終値が75日移動平均線よりも安く終了しそうだと思えたら、空売りを仕掛けます。
このとき、決算後に株価が大きな窓を開けて下落していること、75日移動平均線の向きは下向き、またローソク足は陰線で終了していることが理想ですが、すべてそろっていなくても良いでしょう。
あくまでもチャートの形が優先されます。
そして仕掛けた翌日以降、株価が下降相場に入れば利益を伸ばしていきます。
利益の確定(利確)は個人のトレード手法を優先しても良いと思いますが
例えば終値でボリンジャーバンド-2σを下に割ったときなどで良いと思います。
この決算発表を利用した75日移動平均線割れの形はプロトレーダーの間では空売りトレードのチャンスと考えらえるチャートの形です。
ほとんど知られていないトレード手法ですが、更に詳しく知りたい場合は、『決算発表【100万トレード!】この時期プロが密かに狙う“裏ワザ”を公開!』の記事を参考にしてください。
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決算トレードのみに生涯をささげた機関投資家
機関投資家は多くの報酬を支払うことで企業の機密情報を得ていると言われています。
私は個人的に調べたわけではありませんので断定はできませんが、たぶん周りの話を聞く限りそれは事実だろうと思います。
また、その情報はほとんどがインサイダー取引に当たるような内容も含まれているかと思います。
そう考えると、彼ら機関投資家は「本当にずるい」と思って当然ですが、しかし、我々トレーダーにとって機関投資家が何をしようと関係ありません。
なぜなら、前述のとおり企業内容というものは必ずしも株価に比例しないということだからです。
すなわち、入手する企業の情報が例え高額な報酬から得た内容であっても必ずしも株価として結果に現れる訳ではないということです。
投資の世界では大きく負けている機関投資家もたくさんいることも事実なのです。
また、機関投資家の存在こそがマーケットに未曾有の資金を集めていることは紛れもない事実ですから。
機関投資家や外国人投資家だけが相場で儲けていたら我々のようなトレーダーは存在しない訳です。
話が逸れてしまいましたが
さて、ある中堅の証券会社に勤める現役の機関投資家が日々のトレードや証券業界について書いた【株式ディーラーのぶっちゃけ話】という本の中では決算についてこんな内容があります。
3ヶ月に一度の決算シーズンで、ディーラーは各企業の決算短信(決算速報)をとりあえず確認する。取引中に決算発表がある銘柄は、チャートを表示させて値動きの確認もするだろう。そして、夕方に発表されたものについては、翌日の最初の取引でどのような値動きになるのかをイメージするのかもしれない。しかし、ディーラーは決算絡みで積極的な売買はしない。翌日、会社がどのような決算を発表し、どう動くかという予想はできないからだ。丁半博打になってしまう。1人だけ、決算シーズンのみで利益をあげるディーラーを知っているが、彼はその研究だけに生涯をささげていた。
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もし、本の内容が事実なら機関投資家でさえも決算を利用したトレードは行わないということになります。
もしそれでも決算を利用したトレードをやりたいなら、「生涯を捧げる覚悟!?」が必要ということでしょうか。
とても参考になる内容です。
あの“むらやん“が株決算トレードやってます。
むらやんが株やってます。
⇒ http://cadillac600.blog14.fc2.com/
深夜だったと思いますが、テレビを見ていたら株トレードで有名な”むらやん”こと村上直樹さんが
予め資金と制限時間を決めて、せどり(転売で稼ぐこと)や、他の稼げる系に交じって誰が1番稼げるかという番組をやっていました。
要は業種別にどれだけ稼げるかを競争する内容の番組です。
その中で、むらやんさんは、当然、株のトレードから稼ごうとしていたのですが、それがどんな手法だったかというと
それは決算を利用したトレード手法だったのです。
確か、むらやんさんの基本トレードは持ち越しをしないデイトレードだったと思いますが…。
しかし、むらやんさんがやっていても読者さんはやってはいけません!
決算トレードを!
なぜなら、機関投資家でさえも避けてやらない訳ですから。
決算トレードは、はじめは例え良い結果が出せてもトレードの回数を重ねるごとにいずれ負けが込んで最終的に相場の退場を余儀なくされるでしょう。
余談ですが、その番組では、結局、一番利益を上げたのがせどりの方でした。
ですから、やっぱり、決算トレードでは勝てないということなのでしょうか。
まとめ
- 売買したい個別銘柄の決算発表を調べるには
日本経済新聞社のWEBサイト⇒ https://www.nikkei.com/ - 決算発表の近い銘柄を調べるには、
TRADER’S WEB⇒ http://www.traders.co.jp/
※決算発表時には株を持ち越さないことを前提として
- 決算発表が近い銘柄は避ける
- 買いのサインが出ていて目標株価と決算日までの日柄のバランスを考えることでトレードが出来る
- 決算発表後に大きく下落をした銘柄のチャートの形を見て空売りを仕掛ける
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