日経平均株価は22000円~23000円の間で約4か月間以上持ち合った後に大きく上昇し24000円台に到達することが出来ました。
そして、残念ながらその後は大きく暴落し21000円付近まで落ちています。
しかし、24000円台へと大きく上昇した理由として23000円辺りで強いパーテーションが出来上がりそのパーテーションを突き抜け大きくブレークしたことがまず挙げられると思いますが、上昇の足掛かりとしてもう一つ重要な要素がチャートから見受けられます。
その要素とは安値の切り上げ、そしてダウ理論と大きく関係しています。
今回、ダウ理論を実践のチャートからそれも日経平均株価チャートを使って解説できることはとても意味深いものです。
それではなぜ日経平均株価が大きく上昇したのか一緒に分析していきましょう!
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Contents
安値の切り上げこそ株価上昇の要因
株価が大きく上昇するには株がたくさん買われなければなりません。
そのため多くの資金が株式に投入されなければならないのですが、株価が大きく上昇する前に資金が集まる理由の一つに高値更新があります。
高値更新は一般の方にまで分かりやすい言葉でもありますからメディアも投資家からの関心が高い銘柄を示すものとしてこの高値更新を報道します。
そして実際に高値更新が報道されるとその銘柄は多くの投資家から興味を持たれさらに資金が集まりやすくなる訳です。
(※注意してください。メディアからの朗報は相場では『ダマシ』の場合も多くあります!)
ですから、高値更新は上昇相場中と見る考えは決して間違っていません。
しかし、更新には高値更新だけではなくもう一つの更新がありますね。
それは安値更新、すなわち、“安値の切り上げ”のことです。
(高値更新とは”高値の切り上げ”のこと、安値更新とは“安値の切り上げ”のことになります)
↓ ↓ ↓
この安値更新は投資家の間ではなぜか蔑ろにされている風潮があるような気もしますが、ここではっきりと言いましょう。
「株価上昇には高値更新よりも安値更新の方が重要である!」と。
高値更新がメディアなどの外的な要因から上昇のトレンドを発生させているような感覚なのに対し、安値更新はしっかりと株価の底辺を支えているような感覚といったらいいでしょうか?
高値更新と安値更新の優劣を比較すると
では、ここで高値と安値のそれぞれ2つのチャートパターンから考え相場観を比較してみましょう。
上の①と②のチャートは、どちらの方が今後上昇が続きやすいパターンでしょうか?
①の高値更新の方が今後の株価上昇は期待できそうですが、
答えは
②高値平行・安値更新のパターンになります。
その理由はこのブログの過去の記事『第2部ダウ理論… 』の中で9つのチャートパターンから分析し確認しています。
この分析内容はとても長くなりますので、ここでは割愛します。時間がございましたらぜひ参考にしてください。
⇒ http://kabu-gensoku.com/text/dowtheory-essence/
ちなみに高値更新、そして安値も更新。これは何を意味するでしょう。
もうお分かりでしょう。ダウ理論上昇成立ですね。
こちらも意外と見落としがちですから一応確認まで。
以上のことから、今後上昇しやすいパターンでの優劣順位は以下のようになります。
↓ ↓ ↓
日経平均株価の安値切り上げに見るその後の上昇
では、ここで日経平均株価を見て高値と安値、それぞれの更新を見ていきましょう。
今回、日経平均は24000円に到達しましたが、その前の高値・安値の更新状態を見ますと2018/07~2017/9にかけて高値はほぼ平行、安値は切り上げていることが分かります。
前記の②の高値平行・安値更新のパターンですね。
さらに日経平均の過去の相場を伺うと2017/11~2017/12までの間も②の高値平行・安値更新のパターンを形成し日経平均株価はその後上昇しています。
また、さらに遡りますが2013/06~2013/11にかけても②のパターンを形成後上昇しています。
安値切り上げから下降するパターンにも注意!
但し、②のパターンを形成後、上昇せずに下落するパターンもあります。
2017/01~2017/03に②のパターンを形成していますが、その後株価は上へブレークせずに下落しています。
要因は大きなチャートで見たときグランビルの法則の最終局面であり株式から資金がそろそろ抜かれ始めてきたこともあるかと思いますが、このように上昇せずに下降するパターンも実践では起きることを考慮するはトレーダーの意識としてとても大事なことです。
この下落するパターンを避ける唯一の方法はブレーク前ではなくブレーク後に買いを仕掛けることで実行できます。
いずれにせよリスク回避には②高値平行・安値更新のパターンを形成中はポジションを取らない以外はないということです。
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日経平均のダウ理論上昇
もう一度24000円に到達した2018/07~2017/09のチャートから分析します。
②高値平行・安値更新のパターンを形成しており高値に関してはほぼ平行ですが正確に言うとわずかですが高値更新を実行しています(高値・安値更新ではこの”わずか”が以外に大事なことなのですが…)。
このとき安値も同時に更新して切り上げていますので、すなわち、この高値更新の時点ではチャートレベルダウ理論上昇成立をさせてきたことになるのです。
ダウ理論上昇成立は上昇相場中であることを指します。
そしてダウ理論成立後、株価は一旦下げ押しますが、再び反転、上昇し再度高値更新されます。
このとき同時に23000円辺りのパーテーションブレークと重なるような形から強めの上昇のサインとなり実際株価は大きく上昇し24000円台までを付けることに成功しています。
この高値更新とパーテーションブレークが重なる形は過去の2017/11~2017/01のチャートと、2013/06~2013/12のチャートにも同じことが言えます。
日経平均の暴落原因はやはり安値にあった?
今回、日経平均は21000円まで暴落しましたが、その下落要因もまた安値の更新を使って分析することが出来ます。
これまでは安値の切り上げにより株価が下でしっかりと支えられ上昇を促してきましたが株価が下降相場へと向かう要因となるのが、安値が更新されなくなることです。
要するに安値が切り上がらず株価が前の安値に対して下へ割ってきてしまうことです。
もしこのときまでダウ理論上昇成立中であればこの安値切り上げが崩れることでダウ理論上昇成立は終わり、よってダウ理論では持ち合いになります。
持ち合いとは株価は上にも、そして下にも動く可能性が生じるということです。
今回の日経平均は持ち合いのあと下へ動きましたね。それも大きく下落しました。
なぜ、大きく下落したのでしょう。
これも上記の上昇したパーテーションブレークと同じように考えることが出来るのです。
ここからちょっと細かく難しくなるかもしれませんのでしっかりとチャートを見てください。
上昇時には23000円辺りのパーテーションの存在がありましたが、実は下の値段22000円辺りでもパーテーションを形成していました。
そして、結論から言いますと日経平均は前の安値を10/23に下に割ってこれまでの安値切り上げを崩しダウ理論は持ち合い相場へとなります。
そのとき同時に22000円辺りのパーテーションを下へと割ることで強めの下降サインとなり21000円まで大きく下落していったと分析できるのです。
ダウ理論が崩れた後の暴落例(空売りで気を付けること)
日経平均は暴落していますが、ここで「株価は上昇よりも下降の方が勢いが強い」ということはどうか覚えていてください。
今回の日経平均のチャートからもそれは確認できます。
2018/04~2018/10の約6ヶ月間以上の時間を要して約3000円上昇した株価がたったの1か月間で元の株価へと戻ってしまったのですから、株を買ってじっくりと温めてきた投資家にとってはたまったものではありません。
だからこそ空売りが効果的なのですが。実は私のところへ空売りについてもっと教えて頂きたい内容のメールがよく届きます。
しかし、信用取引など注文の仕方の違いはあっても空売りは買いとは逆に考えればいいだけの話です。
但し、今回の日経平均株価の暴落に見て感じるように相場には重力のようなものが存在していることを頭に入れてください。
その重力のようなものが下降の勢いを増していくかのようです。
今のアベノミクスの上昇相場中であってもこの相場の重力の考え方は外さないでください。
しかし、相場の重力と言ってもどのようにトレードで活かしたらいいのか見当がつかないこともありますので一つの相場の例を話します。
まず「相場が下降相場だと株価はパーテーションを下へ割ると次のパーテーションまで比較的短時間で到達しやすい」ということです。
日経平均チャートの実践から解説しますと、「株価は前の安値を下へ割りダウ理論上昇が崩れさらに22000円辺りのパーテーションを下へ割ることで次のパーテーション21000円に比較的早く到達した」ということです。
(この21000円辺りのパーテーションとは心理パーテーションと呼ばれるある区切りとなりやすい値段から生じるパーテーションのことです。)
細かく分析すれば、1018/02/05に23000円辺りのパーテーションと75日移動平均線を株価が同時に下へ割ることで強い下降のサインとなりその後大きな下落をして次の下の心理パーテーション22000円辺りまで株価は到達しています。
最後に
日経平均株価チャートから高値・安値更新、またダウ理論を用いた解説をしましたが、相場は残念ながら分析通りにいかない方が多いことも事実です。
今回は、たまたま分析内容が説明しやすい日経平均の相場だったのかもしれません。
相場はどんなに細かく分析しても確実性はありません。
しかし、過去の相場を分析することが未来の相場へのトレードの勝率を少しずつ上げていくことも事実です。
投資は確率が命です。その勝利への確率を少しでも上げて行くために過去の相場を分析するのです。
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